3人のプログラマの話

あるIT部門で一人の男が難しい顔をしてPCに向かっていた。

「あなたはここでいったい何をしているのですか?」

「何って、プログラミングに決まっているだろ。朝から晩まで、設計書の内容を間違わずにコードに落とさなきゃいけないのさ。あんたにはわからないだろうけど、目は疲れるし腰は痛くなるし」

男は腰を叩き、首をぐるりと回し、ため息をついた後、再びキーボードを叩きだした。






別のフロアでも同じようにPCに向かっている男がいた。 しかし先ほどの男のように辛そうには見えなかった。

「あなたはここでいったい何をしているのですか?」

「俺はね、入金処理のプログラムを書いているんだ。一旦出来上がったんだけど、この部分がもう少し綺麗に書けないかなと思ってね。修正してるんだ」

「大変ですね」

「まあ、これが仕事だしね。」

そう言って男は設計書を持って隣の男と話始めた。






また別のフロアでも同じようにPCに向かっている男がいた。 この男は活き活きと楽しそうに考え、キーボードを叩いていた。

「あなたはここでいったい何をしているのですか?」

「ああ、俺達の作業のことかい? 俺たちは、次世代の業務システムを造ってるんだ。ちょうどそのコア部分のコーディングをしていてね」 「今の構造だと他の部分との依存が強すぎるから、なんとか改善しようとしてるんだ。なんせ10年は使い続けられるシステムが目標だしね」

「大変ですね」

「とんでもない。これができれば皆が残業して処理していた月末処理が数分で終わるんだぜ。素晴らしいだろう!」