概念モデル

概念モデルとは

  • 問題領域の概念の集合
  • 静的な構造図で表される
  • 概念モデルは、「概念」「概念間の関連」「概念の属性」を表現する
  • 概念とは、「物」「考え」「対象」である
  • ソフトウェア設計のモデルではない


概念の抽出方法

ユースケース等から名詞や名詞句を抽出し、候補を挙げ、以下のカテゴリから概念を分類して抽出する

  • 物理的または有形のオブジェクト
  • ものごとの仕様、設計、または説明(製品の仕様等)
  • 場所
  • トランザクション(販売等)
  • トランザクションの明細(販売明細等)
  • 人の役割
  • 何かを入れるコンテナ(保管棚等)
  • コンテナの中身(商品等)
  • 外部に存在するシステム
  • 抽象名詞的概念(空腹等)
  • 組織
  • イベント(販売等)
  • プロセス(座席の予約等)
  • 規則と方針(返品の方針)
  • カタログ(製品カタログ等)
  • 金銭の動き、労働、契約、法的事項の記録(レシート等)
  • 経理上の道具とサービス(在庫等)
  • マニュアル、本(従業員マニュアル等)


概念と属性

  • ある概念Xが現実世界では、数値でもテキストでもない場合は、Xはおそらく概念であり属性ではない(通貨など、単位があるものは概念として抽出しておくほうが良い)
  • 概念か属性か迷った場合には、別個の概念として作成する


仕様のための概念

ある概念(たとえば商品)のインスタンスが削除されると、削除されたものへの情報の不適切な関連により、管理すべき情報の消失を引き起こす場合は、仕様の概念を導入する
商品のインスタンスが削除されると、削除された商品の価格等を得ることができなくなるような場合、商品仕様の概念を導入する



概念間の関連の発見

関連より概念を見つけることが重要。多すぎる関連は理解の妨げになるため、冗長な関連や推論できる関連は省く。以下のカテゴリリストが関連の発見の足がかりとなる

  • Aは物理的にBの一部である
  • Aは論理的にBの一部である
  • Aは物理的にBに含まれる
  • Aは論理的にBに含まれる
  • AはBの説明である
  • AはトランザクションまたはレポートであるBの一項目である
  • AはBにおいて認識・ログ・記録・レポート・補足される
  • AはBのメンバーである
  • AはBの組織の下位単位である
  • AはBを使用または管理する
  • AはBとコミュニケーションする
  • AはトランザクションBに関係する
  • Aは別のトランザクションBに関係するトランザクションである
  • AはBの隣にある
  • AはBから所有される